「WordPressのバージョン管理って必要?」初心者Web担当者のための基礎知識

WordPressのバージョン管理って要?初心者向け基礎知識

WordPressでホームページを運用しているけど、バージョン管理って正直よく分からない…という中小企業のWeb担当者の方、必見です!

この記事では、WordPressのバージョン管理の基礎知識から、アップデートの重要性、具体的な手順、自動更新のメリット・デメリット、さらには社内対応と外部委託の比較まで、初心者にも分かりやすく解説します。

セキュリティリスクや機能不具合を防ぎ、安心してWordPressサイトを運用するためのノウハウが満載。記事を読み終える頃には、バージョン管理の重要性を理解し、具体的な対策を立てることができるでしょう。

アップデート前に確認すべき3つのポイントや、担当者がまず覚えるべきことリストもご紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。

WordPressの「バージョン管理」って何?

WordPressのバージョン管理とは、WordPress本体、テーマ、プラグインといった構成要素それぞれのバージョンを適切に管理し、最新の状態を維持したり、過去の状態に戻せるようにしておくことを指します。
それぞれのバージョンは、例えば「5.9.3」や「6.2」といった数字で表され、数字が大きくなるほど新しいバージョンとなります。

WordPressはオープンソースソフトウェアであるため、常に開発・改良が続けられており、新機能の追加やバグ修正、セキュリティ強化などが随時行われています。
これらの変更が反映されたものが新しいバージョンとしてリリースされます。バージョン管理を行うことで、ウェブサイトの安全性を高め、機能を最新の状態に保ち、安定した運用を実現することができます。

本体、テーマ、プラグイン、それぞれに「バージョン」がある

WordPressは、大きく分けて「本体」「テーマ」「プラグイン」の3つの要素で構成されています。それぞれ独立したバージョンを持っており、個別にアップデートが必要となります。

WordPress本体

ウェブサイトの基盤となるシステムです。本体のバージョンアップでは、セキュリティの強化や新機能の追加、パフォーマンスの向上が行われます。例えば、WordPress 6.0ではフルサイト編集機能が強化され、ブロックテーマを使ったより柔軟なサイト構築が可能になりました。

テーマ

ウェブサイトのデザインやレイアウトを決定するものです。テーマのバージョンアップでは、デザインの変更や機能の追加、バグ修正などが行われます。例えば、人気テーマ「Cocoon」では、定期的にバージョンアップが行われ、新しい機能の追加や表示速度の改善などが行われています。

プラグイン

ウェブサイトに特定の機能を追加するための拡張機能です。プラグインのバージョンアップでは、機能の追加やバグ修正、セキュリティの強化などが行われます。例えば、セキュリティプラグイン「SiteGuard WP Plugin」では、定期的にバージョンアップが行われ、最新のセキュリティ脅威への対応などが行われています。

アップデートとは「より安全・便利にするための修正」

アップデートとは、これらの本体、テーマ、プラグインを最新バージョンに更新することです。アップデートを行うことで、セキュリティの脆弱性を修正し、新機能を利用できるようになり、ウェブサイトのパフォーマンスを向上させることができます。アップデートは、単なる変更ではなく、より安全で便利にWordPressを利用するための重要なメンテナンス作業と言えるでしょう。

アップデートしないとどうなる?

WordPressのアップデートを怠ると、様々な問題が発生する可能性があります。セキュリティリスクの増大、機能の不具合、表示崩れなど、ビジネスに悪影響を及ぼすことも少なくありません。
特に中小企業のWeb担当者にとっては、これらの問題への迅速な対応が求められます。

セキュリティリスク(脆弱性の放置)

WordPress本体、テーマ、プラグインには、常にセキュリティ上の脆弱性が発見されています。アップデートには、これらの脆弱性を修正するパッチが含まれているため、アップデートを怠ると、Webサイトがサイバー攻撃の標的となるリスクが高まります。

具体的には、不正アクセス、データ漏洩、改ざんなどの被害を受ける可能性があります。最悪の場合、Webサイトが完全にダウンし、ビジネスに深刻な損害を与えることも考えられます。

情報処理推進機構(IPA)では、定期的に脆弱性情報を公開しています。脆弱性を放置することで、Webサイトがマルウェアに感染したり、フィッシングサイトに悪用されたりする危険性があります。

機能の不具合、表示崩れ

WordPressのバージョンが古くなると、新しいプラグインやテーマとの互換性が失われ、機能が正常に動作しなくなることがあります。また、ブラウザのアップデートなど、Webを取り巻く環境の変化によって、Webサイトの表示が崩れる可能性もあります。

例えば、レイアウトが崩れたり、特定の機能が利用できなくなったりするなど、ユーザーエクスペリエンスを損なう原因となります。

プラグインやテーマとの互換性エラー

WordPressのアップデートによって、既存のプラグインやテーマが正常に動作しなくなる場合があります。これは、プラグインやテーマが古いバージョンのWordPressに合わせて開発されているためです。

互換性エラーが発生すると、Webサイトの機能が制限されたり、表示が崩れたりする可能性があります。最悪の場合、Webサイトが完全にダウンすることもあります。そのため、アップデートを行う前に、利用しているプラグインやテーマの最新バージョンを確認し、必要に応じてアップデートする必要があります。

WordPress公式プラグインディレクトリや各テーマの開発元サイトで、互換性に関する情報を事前に確認することをおすすめします。

アップデート前にやるべきこと

WordPressのアップデートは、サイトのセキュリティや機能維持に不可欠ですが、不用意に実行すると予期せぬトラブルを引き起こす可能性があります。
アップデート前に適切な準備を行うことで、リスクを最小限に抑え、スムーズな更新作業を実現できます。以下の3つのポイントを必ず確認しましょう。

バックアップの重要性

アップデートによる不具合発生に備え、事前のバックアップは必須です。

バックアップには、ファイルバックアップとデータベースバックアップの2種類があります。

ファイルバックアップ:WordPressのテーマやプラグイン、アップロードした画像などのファイルを保存します。

データベースバックアップ:投稿記事やコメント、設定情報などを保存します。

これらのバックアップを適切に取得することで、万が一アップデートで問題が発生した場合でも、元の状態に復元することが可能です。

バックアップ方法は様々ですが、初心者の方におすすめなのは、BackWPupなどのバックアッププラグインを利用する方法です。これらのプラグインを利用すれば、FTPやサーバーの知識がなくても、簡単にバックアップを取得できます。

更新対象の確認(本体・テーマ・プラグイン)

WordPressのアップデートは、本体だけでなく、テーマやプラグインも対象となります。それぞれ個別にアップデートが必要な場合があり、更新前にどの部分がアップデートされるのかを確認することが重要です。
ダッシュボードの「更新」画面で、更新対象とバージョンを確認できます。

特にプラグインのアップデートは、互換性の問題が発生しやすい部分です。アップデート前に、各プラグインの公式ページや変更履歴を確認し、WordPress本体や他のプラグインとの互換性に問題がないかを確認することをおすすめします。

また、使用頻度の低いプラグインは、必要に応じて停止または削除することで、アップデートの手間を減らし、潜在的なリスクを軽減できます。

開発環境(テスト環境)を持つメリット

本番環境で直接アップデートを行うと、予期せぬ不具合が発生した場合、サイトに直接影響が出てしまいます。そのため、開発環境(テスト環境)を用意し、そこで事前にアップデートを行い、動作確認を行うことが推奨されます。

開発環境は、本番環境と同じサーバー環境を再現したもので、本番環境への影響を心配することなく、安心してアップデート作業や動作確認を行うことができます。

開発環境の構築には、Local by FlywheelやXAMPPなどのローカル開発環境構築ツールを利用する方法や、レンタルサーバーでテスト用のサブドメインを作成する方法などがあります。
開発環境を用意することで、アップデートによる問題を事前に発見し、修正することで、本番環境への影響を最小限に抑えることができます。

自動更新に頼っていいの?

WordPressの自動更新は、セキュリティや機能の向上を維持する上で便利な機能ですが、すべてのケースで最適解とは言えません。自動更新のメリット・デメリットを理解し、サイトの状況に合わせて適切な対応を選択することが重要です。

自動更新のメリット・デメリット

メリット

自動更新の最大のメリットは、手間をかけずにWordPressを最新の状態に保てることです。
セキュリティアップデートが迅速に適用されるため、脆弱性を突いた攻撃のリスクを低減できます。また、新機能やパフォーマンスの改善も自動的に取り込まれるため、常に最新のWordPress環境を利用できます。

デメリット

自動更新には、予期せぬ不具合発生のリスクが伴います。
アップデートによってテーマやプラグインとの互換性が失われ、表示崩れや機能停止などの問題が生じる可能性があります。
特に、カスタマイズ性の高いサイトや、多数のプラグインを使用しているサイトでは、自動更新によって深刻な影響が出る可能性が高まります。

手動管理の方が安心なケースとは

以下のようなケースでは、自動更新ではなく手動でのアップデートが推奨されます。

  • 高度にカスタマイズされたテーマやプラグインを使用している場合
    自動更新によって互換性が失われ、サイトの表示や機能に影響が出る可能性があります。
  • 多数のプラグインを使用している場合
    プラグイン同士の競合や、WordPress本体との互換性問題が発生するリスクが高まります。
  • ミッションクリティカルなウェブサイトの場合
    万が一アップデート後に問題が発生した場合、ビジネスに大きな影響を与える可能性があります。事前にテスト環境で動作確認を行うなど、慎重な対応が必要です。
  • アクセス集中時間帯が明確なサイトの場合
    アップデート中に一時的にサイトが不安定になる可能性があるため、アクセスが少ない時間帯に手動でアップデートを行う方が安全です。

自動更新を止めたいときの対応方法

WordPressの自動更新は、以下の方法で停止または制御できます。

  • すべての自動更新を停止する場合
    define( 'WP_AUTO_UPDATE_CORE', false );をwp-config.phpファイルに追加します。(WordPress.org 日本語 – 自動バックグラウンド更新の設定
  • メジャーアップデートのみ停止する場合
    define( 'WP_AUTO_UPDATE_CORE', 'minor' );をwp-config.phpファイルに追加します。これにより、マイナーアップデートとセキュリティアップデートは自動的に行われます。(WordPress.org 日本語 – 自動バックグラウンド更新の設定
  • 特定の種類の自動更新を制御するプラグインを利用する
    「Easy Updates Manager」などのプラグインを使用することで、本体、プラグイン、テーマそれぞれの自動更新を個別に設定できます。

自動更新を停止した場合、手動で定期的にアップデートを行うようにしてください。アップデートを怠ると、セキュリティリスクが高まるだけでなく、最新の機能やパフォーマンスの向上も享受できなくなります。

ファイル操作はWEBサイト全体が表示されなくなるリスクがあるので、知識があまりない方にはお勧めできません!

社内でやる?外部に任せる?

WordPressのバージョン管理、社内で対応すべきか、外部委託すべきか、中小企業のWeb担当者にとって悩ましい問題です。規模やリソース、そしてWebサイトの重要度によって最適な選択は異なります。それぞれのアプローチのメリット・デメリット、そして判断基準について詳しく見ていきましょう。

社内対応の限界

社内でWordPressのバージョン管理を行う場合、一見コストを抑えられるように見えますが、実際には様々な負担がかかります。特にWeb担当者が専任でない場合、本来の業務に加えてアップデート作業、トラブル対応などに追われ、大きな負担となる可能性があります。

また、セキュリティ対策やパフォーマンス最適化など、高度な知識と技術が必要な領域への対応は難しいケースも少なくありません。アップデートの失敗によるサイトダウンやデータ消失のリスクも考慮する必要があります。

中小企業では、Web担当者のリソースが限られている場合が多く、WordPressのバージョン管理に十分な時間を割けないケースも珍しくありません。他の業務との兼ね合いを考えると、社内での対応が現実的に難しい場合もあります。

アップデート失敗時のリスク

WordPressのアップデートは、一見簡単そうに見えても、予期せぬトラブルが発生する可能性があります。テーマやプラグインの互換性問題、データベースエラー、最悪の場合サイトダウンなど、様々なリスクが潜んでいます。特に、カスタマイズを施しているサイトでは、アップデートによってレイアウトが崩れたり、機能が停止する可能性が高まります。

これらのトラブル発生時に、社内で対応できるスキルや人員が不足していると、復旧に時間を要し、ビジネスに大きな損害を与える可能性があります。迅速な復旧には専門的な知識と経験が必要となるケースが多く、社内対応の限界を感じることがあります。

管理・保守を外部委託するという選択肢

WordPressのバージョン管理を外部の専門業者に委託することで、Web担当者の負担を軽減し、より重要な業務に集中することができます。

専門業者は、セキュリティ対策やパフォーマンス最適化など、高度な知識と技術を備えており、安心してサイトの運用を任せられます。また、トラブル発生時にも迅速な対応が期待できるため、ビジネスへの影響を最小限に抑えることができます。

まとめ・チェックリスト

WordPressのバージョン管理は、サイトの安全性を保ち、快適な運営を続けるために欠かせません。
アップデートによるセキュリティリスクの回避、機能改善、表示崩れの防止といったメリットがある一方で、アップデート前にバックアップを取り、更新内容を確認するなどの注意点もあります。

自動更新は便利ですが、手動更新の方が安全なケースもあるため、状況に応じて使い分けることが重要です。社内リソースが限られている場合は、外部委託も検討しましょう。

「アップデートする前の3つの確認」

  • バックアップは取得済みか
  • 更新対象(本体、テーマ、プラグイン)と更新内容は確認済みか
  • 可能であれば、テスト環境で動作確認済みか

「担当者がまず覚えるべきことリスト」

  • WordPress本体、テーマ、プラグインそれぞれにバージョンが存在すること
  • アップデートはセキュリティ対策や機能改善のために必要であること
  • アップデート前に必ずバックアップを取ること
  • 自動更新のメリット・デメリットを理解し、適切な更新方法を選択すること

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